広告展示コーナー

メゾン創業当時の資料や分析を通してロンジンの歴史を見ると、その技術面が非常に強調されてきたことがわかります。ロンジンは19世紀後半、ひとつ屋根の下に職人を集め、機械を使用した生産体制を(おそらくこれが革新的であるという理由から)導入することになります。ロンジンのこうした工場誕生へのビジョンは、ブランドの誕生背景と重なり合うものがあります。ロンジンのこのようなアプローチは、1870年頃からスイスの時計ブランドが採用し始めた戦略であったために容認できるものではありましたが、これによってメゾンのもうひとつの大切な側面 ―販売戦略― の存在感が薄れる結果となったのです。

それがいかなる手法によるものであれ、時計を生産するだけでは成功は獲得できません。製品を売る力が必要であり、それゆえにビジネスネットワークと販売経路の確立が製造構造の中で不可欠な要素となるのです。時計商とは、メーカーであり仲介業者です。それゆえ時計商の持つ営業的要素が、同様に時計商として生まれたロンジンの誕生背景を明るみにするだけでなく、その未来における方向性に指針を与えるでしょう。そして時計ブランドの営業活動には、当時まだ誕生したばかりで初期段階にあった広告活動が必要とされていきました。

ミュージアムの中の広告、および広告の変遷を取り扱ったコーナーでは、ブランドとその製品のプロモーションに焦点を当て、19世紀に登場した最初の広告用プロトタイプから最近の広告キャンペーンまでを網羅しています。版画やプラカード、ポスターなどの遷移を通じて、ブランドイメージ(およびそれに伴うブランドの価値)の出現とその強化が細かく分析されています。